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はぁ、と聞こえたため息。 「…またその台詞かよ。」 「当たり前でしょ! 涼くんは傷ついたんだもん!」 「…ふざけんなよ。」 頬を叩いたまま固まっていた 腕を掴まれ、引き寄せられる。 「ひゃっ…、慎…。」 「黙れよ。」 「!…やめっ。」 一瞬のキスをされる。 力まかせに離れる。 「…なんで佐久間にあんなこと 言ったか教えてやろうか。」 「な…に。」 慎也は自嘲気味に笑う。 「お前が…美智が好きだから。 だから佐久間が邪魔だった。」 突然の告白に固まってしまった。 「…好、き?」 「そうだよ。 高校に入ってから、ずっと。 なのに! たった数週間で全部奪われた。」 悲痛な声に。 「慎也…。」 「たったの一回のキスくらい…、 別に、いいだろ。」 立ち去る慎也を追い掛ける ことは出来なかった。 .
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