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あぁ…なんて。 優しく温かい、周りの人。 そして。 なんて自分勝手な、私。 「私…」 「…うん。」 「涼くんが、いるならいい。」 数秒前までは。 慎也を傷付けたくない、なんて 言っていたくせに。 本当は自分を傷付けたくない だけだった。 そして。 今は、もっと酷い。 涼くんが側にいれば。 涼くんが傷付かなければ。 涼くんが…。 「…美智。 俺も、美智、だけで…いい。」 「っ!」 「だから…泣か、ないで?」 ぽろり、と零れていたのは。 涙。 「涼くん。…好き、だよ。」 「うん。出来、れば…笑顔で 言って、欲しかった、けど…。」 「…ごめんね。」 なんで謝るの、と涼くんは少し 微笑みながらぎこちなく私の 頭を撫でてくれた。 .
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