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「やっと…来た。」 「え?」 門を通ろうとした時。 横から腕を強くひかれた。 「りょ…涼くん?」 「…ん。」 「なんで…まだ?」 「美智を、…待って、た。」 帰る、と涼くんは背をむけて 歩き出す。 「りょ…涼くん。」 「…それ、嫌。」 「え?」 涼くんはピタリ、と歩くのを 止めた。 「…呼び捨て、で、いい。」 「え…えーと。」 「…距離、おかれてる、みたい。 だから、…嫌だ。」 拗ねた表情。 かわいい、なぁ。 「りょー?」 「……、…ん。」 「涼?」 スタスタ、と歩く速度を急に あげる涼。 もしかして。 「照れてる?」 「…照れて、ない。」 「そっかぁ、…涼。」 こっちを、ちらり、と見た涼は やっぱり照れてて。 「涼、可愛い。」 そっと手を繋ぐと。 「……ばか。」 やっぱり、可愛かった。 .
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