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「お疲れですね。」 「…あぁ。」 「奥様が呼んでいました。」 上半身をおこす。 「…高槻。」 「申し訳ございません、涼様。」 「……分かっ、た。」 頭を下げる高槻を見て溜息を つきベッドから降りた。 長い廊下を歩くと一際大きな 扉の前に止まる。 深呼吸するとノックした。 「…涼です。 入って、よろしいですか?」 「えぇ。」 中から聞こえた声に扉を開ける。 「さぁ…何故呼ばれたか、 分かっていますか。」 「…いえ。」 「今、お付き合いしている方が いますね。」 母の言葉に肩が揺れる。 なんで、知ってる。 思わず睨みつけた。 「あら…そんな目をするのね。 よっぽどその方…美智さんが 大事なのね?」 「…はい。」 母は、上品に意地悪く笑った。 .
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