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―涼Side 俺は恋をしたらしい。 ニ週間前、窓から俺のほうを 下らない、という目をして 見ているのを見て。 初めての経験で、強く印象に 残った。 それと同時に鼓動が速くなった。 「それは恋だ。」 と親友の関川 結城(セキカワ ユウキ)は 言った。 それから色々調べて、その女の 名前、住所、性格、評価などが 分かった。 結城は情報屋だから。 そして今日の朝。 たまたま見つけて、付き合え、と 言ったら普通じゃないと 言われた。 普通の告白とはどんなのだ。 「お前、いきなり付き合え、は ないよー。 いーか、まずな。 告白っていうのは……。」 家は小さい頃から裕福で 厳しくもあった。 褒めてもらった記憶はない。 佐久間グループの長男として 当たり前のことだった。 それ以外はどうでも良かった。 例外が結城と、あの女。 松原 美智だった。 .
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