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―美智Side もうすぐ文化祭。 「へ?合同?」 涼は頷く。 「俺…執事、美智…メイド。」 どうやら涼のクラスは執事喫茶。 私のクラスはメイド喫茶。 だから合同でやろう、という 話しになったらしい。 「へぇ…」 きっと執事姿の涼。 物凄くかっこいいんだろうな。 「?…美智?」 「あ…なんでもない。」 じー、と見ていたらしく涼は 首を傾げる。 しかしまたゆったりとした 時間が流れた。 実は。 涼に言えないことがある。 三日前ほど。 黒ずくめの人がいた。 佐久間家の使い、ですと。 同じく黒いアタッシュケース。 お金がびっしり入っていた。 あの温和な母も激怒し、 追い返した。 あんなことをする家で育った涼。 可哀相だ、と思ってしまった。 そのことを涼に言うべきか、 迷ったまま言えずにいるのだ。 .
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