05

5/14
前へ
/134ページ
次へ
「…私たちはお互いのこと 大事にしてるもん。」 「そうですか。 じゃあ、そう思ってて下さい。」 その子は立ち上がると採寸の ため涼のもとへ行く。 あ、嫌だな、それ。 …涼に触らないで。 そんなに近付かないで。 なんて、醜く、嫉妬。 私は思わずその光景から目を そらして自分の服を作り始める。 「今日はここまでー!」 委員長の声で片付けを始めた。 つ…疲れた。 ちらり、と涼を見るとまたあの 女の子が側にいる。 だめ、駄目。 大人げないことは、駄目。 そう自分に言い聞かして 隣の部屋に道具を置きにいく。 はぁ、と小さくため息を吐き 扉を通ろうとした時。 ガタン 頭上の音に顔を上げれば 看板が傾いて。 あたるっ…ーー! 「美智!」 大声とともに誰かの力強い腕に 体を引かれた。 .
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4527人が本棚に入れています
本棚に追加