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いたく、ない? 反射的につむった目を開ければ 真剣な、怒りをあらわにした 涼がいた。 「…大丈夫?」 「う…うん。ありがとう…。」 涼を掴む指先が震える。 震えた指先に涼が優しくキスを 落とした。 優しく微笑むと後ろに振り返る。 「…おい。」 聞いたことのない、低い声。 「誰だ。看板つけたやつ。」 冷たく固まる雰囲気。 恐る恐る、二人の男の子が手を あげた。 「…真剣につけたか? 落ちるなんて、ありえねーよな。」 机を蹴る。 「ひっ…ごめ…。」 「謝るなよ。お前ら、頭からこの 看板、うけてみるか? そしたら許してやるよ。」 さすがに可哀相で。 「涼。」 「…なに。」 「私、怪我、してないし…ね?」 振り向いた涼は怒りの表情を 崩すと、一気に泣きそうな表情に 変わった。 .
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