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「だって…もし、美智に… あたったら、俺…。」 震える声。 不謹慎にも、…可愛い。 「大丈夫だよ…、ごめんね?」 「ぅん…。」 「…ありがとう。」 ふわふわの髪を撫でる。 「…心配かけたいだけじゃ ないの。」 ボソリ、と聞こえたあの女の子の 言葉。 涼はぴくり、と顔をあげる。 「…木原、お前、今なに言った。」 「べつに。」 「女でも、許さない…。」 木原、と呼ばれたかその子は 泣きそうになって。 「そんな女! どこがいいのか分からない!」 「き、はら…!」 木原ちゃんに掴みかかろうと した涼を止める。 「…美、智。」 「いい、いいから。 私、平気だから…。」 うそ。 でも涼がいてくれるなら、平気。 だから。 涼は深呼吸を一回すると 落ち着いたようだった。 .
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