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―美智Side そういえば。 また後で、って言ってたなぁ。 それを思い出したのは昼に 佐久間くんが私の教室まで 来たときだった。 「松原 美智。」 「…なんでフルネームなの。」 「屋上、行く。」 そう言うとスタスタ歩いて いってしまった。 「え…?」 「美智、ついて行かなきゃ!」 「…行かなくてよくね?」 首を傾げた私に梓は行け、と言い 慎也は行くな、と言い。 「うーん… まぁとりあえず行くよ。」 さすがに無視はいけない。 長い足のせいか。 あっという間に遠くにいる。 歩く度に少しカールした 焦げ茶色の髪が柔らかく揺れる。 …綺麗だなぁ。 やっぱり佐久間くんはかなり 綺麗だ。 後ろ姿から、オーラから。 なにもかも。 そんなことを思いながら 屋上までついていった。 .
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