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―涼Side いらいら、する。 もやもや、する。 前も味わったこの気持ち。 なんなんだろうか。 美智が男に笑顔を見せるだけで。 美智が男に触られるだけで。 怒鳴りそうになる。 自分が、抑えられなくて。 俺…そんなに短気だっけ。 ただの怒りとは違うこの気持ち。 なんなんだろうか。 はぁ、とため息をつくと脇腹を 結城に突かれる。 「集中しろ。」 「…はいはい。」 「あと一時間だぞ。」 交代の時間まで、あと一時間。 頑張ろう。 終われば美智とずっと一緒。 ネクタイを結び直すと、また オーダーをとりにいく。 熱い視線も。 褒め言葉も。 笑顔でさえも。 美智以外のは、いらない。 美智以外には、あげない。 だから美智も俺だけにその 全てをくれればいいのに。 .
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