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「美智…俺の。」 「な…そ…そんな女…別に いらねーよ!」 男は捨てぜりふを吐くと教室を でていった。 「…美智。」 「へ?…わっ! ちょ…涼?…痛いよ。」 「黙って…。」 皆呆然としている中、私と涼は 教室を出ていった。 そして隣の誰もいない教室へ。 入った瞬間に抱きしめられた。 「…なんで、あんな男なんかに 触られてんの? 笑顔、向けたりしてるし。」 涼は怒ると饒舌になる。 「…それは、仕事、だし。 それに…涼もべたべた女の子に 触られてたし。」 「俺のことは良い!」 初めて怒鳴られた。 じわり、と涙が浮かぶ。 「ごめ…んなさ…。」 ぽろり、とついに落ちた。 「み…さと。…ごめん。」 「涼…ぅ…。」 はっ、と涼は我にかえると私を 骨が軋むほど抱きしめた。 .
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