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少し涼は体を離した。 「ごめん…俺…かなり、 いらいら、してて。」 「…やき、もち?」 「わからない、けど…。 言われてみれば…そう、かも。」 初めて、だから。 そう涼は小さく呟いた。 「りょ…」 「…好きって、こんな汚い感情も あるんだ…。」 「え…?」 涼は私を抱きしめる。 その手は少し震えていて。 「…お願い。 俺のこと…嫌いにならないで。」 震える声。 なんて、愛しい。 「嫌いになんて、ならないよ。 …だって大好きだもん。」 少し笑ってあげると。 涼は泣きそうになりながら ぎこちなく笑う。 その、唇に唇を、合わす。 「…美智。」 「ん?」 「俺…美智を、好きになって …幸せ、だ。」 嬉しい言葉。 幸せな時間。 「私も…だよ。」 目の前の、愛しい人。 .
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