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「え?」 「初めまして。 白鳥麗子(シラトリ レイコ)です。」 ある朝。 鳴ったチャイムに涼だと思い 扉をあけると、そこには可愛い 女の子が立っていた。 執事つきで。 その瞳には寂しさが宿っていて。 まるで昔の涼のようで。 「…あの?」 「私、涼さんの婚約者です。 あら?聞いていませんか?」 「婚約、者?」 クスリと麗子ちゃんは笑う。 「そんな…こと私に言われても 困ります…。」 「別れて下さいません?」 「!」 怒鳴ろうとした、その時。 「…麗、子?」 驚いた様子の涼がいて。 それよりも。 涼が名前を呼び捨てで読んだ ことに驚いて。 麗子ちゃんは涼を見ると 嬉しそうにその腕に擦り寄る。 涼は振り払うこともせずに 麗子ちゃんの頭を撫でた。 .
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