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ほんと、懲りない。 また嫉妬する、なんて。 「…美智?」 「あ…あれ…? 麗子ちゃん、は?」 「ん。学校行かせた。」 「そう…。」 なんで。 何も言ってくれないなんて。 酷い。 裏切られた。 なんて考えてしまう。 「麗子ちゃん、のこと… 大切、なんだね。」 「ん?…」 お願い否定して。 腕を振り払わなかったのは。 頭を撫でたのは。 なんでもないよ、と。 学校の門につくころに。 「…そだね。大、切。」 少し優しくなった瞳。 嫌。 駄目。 取り乱したら。 みっともない。 駄目。 落ち着いて。 「そう、なんだ…。 じゃあ私は何だったの?」 「…みさ、と?」 涼の顔も見ずに走り出す。。 私は何だったの? 遊び? 信じられない。 信じたくない。 .
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