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息を切らして教室に入る。 「…美智!?どーしたの?」 梓の驚いた声。 「え?食後の運動、なんてね。」 笑ったつもりだったのに。 へにゃり、と歪むのが分かった。 「…美智?」 「…自信、ないよぉ…。」 「ん?…なんの?」 「涼が…私を好きな…。」 そう言うと梓は本気で驚いた 表情をした。 「なに言ってんの? 凄く、愛されてんじゃん。 なんで自信、もてないの?」 「だって…涼…他の女の子の ことも『大切だ』って…。」 ますます梓は驚いた顔をする。 「涼くんに聞いてみた?」 私は首を横にふる。 聞けるわけがないよ。 だって。 「…こわい、よ。」 最初は脅されただけ。 それなのに。 好きになりすぎた。 この関係が壊れるのも。 こわい。 怖いことだらけだ。 .
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