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―涼Side 「美、智…?」 校門で呆然と立ち尽くす。 一体、なにがあったのだろう。 美智が隣からいなくなった。 逃げていった。 何故? 「きゃー!涼様が一人よ!」 「本当だ! ついに別れたのねー!」 周りにはいつの間にか女子。 俺が一人なのがそんなに 嬉しいのか? 美智と別れたらそんなに 嬉しいのか? ふつふつと沸く怒り。 「…邪魔。」 「きゃー!喋った!」 人間だから喋るだろうが。 所詮、俺はただのブランド。 『佐久間』という最高級の。 そのブランド品が欲しいだけの 女たち。 初めて女たちの顔を見る。 思わず心の中で笑ってしまう。 残念だ。 あんたたちじゃブランド品は 似合わない。 美智なら……。 そこまで考えて、隣にいない ことが寂しく感じた。 理由も分からない。 どうして、なんで? .
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