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しばらく、沈黙。 「…好きです。 俺と付き合って下さい。」 出された手にはたんぽぽの花が 一輪、握られていた。 「たんぽぽ抜いちゃったの?」 こくり、と頷く佐久間くん。 「花が可哀相でしょ。」 睨むと佐久間くんは首を傾げ 困ったような顔をする。 あ、可愛いかも。 「だって、結城が…。 告白は屋上でたんぽぽをあげて 今の台詞を言うことだって。」 騙されてるよ? 「佐久間くん…馬鹿?」 「…初めて言われた。」 そりゃあこの高校にトップで 入学だしね。 そういう馬鹿じゃなくて。 「てか世間知らずー。」 ケラケラ笑った声がしたと 思ったら陰から美形な男子が。 「…結城。 たんぽぽ、違う…。」 「当たり前じゃーん。 それじゃー皆、春しか告白 出来ないよぉ。」 …そっか、と佐久間くんは頷く。 なんかタイプが全く違う。 .
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