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「…涼!」 バンッと屋上の扉をあけると。 「りょ…涼?」 「み…さと。」 「何やってるの!?」 涼は屋上のフェンスを乗り越え あの狭いところに座り、宙に 向かって足を投げ出していた。 「…美智、が、いないから。 俺、いらない…。」 「涼。」 「…美智も、俺を、見捨てる?」 涼は立ち上がる。 風が吹いたら落ちそうで。 「ばっ!見捨てるわけない! 戻ってきなさい!」 「…うん。」 フェンスに片手を置くと地面を 蹴り上げ、体が浮きこっちに 戻ってきた。 危ない、危ないでしょ! 戻ってきた涼の頭を思い切り 叩いた。 「ばか涼!」 「…痛い。」 涼は頭を押さえる。 「私の方が痛いよ!」 「え…?」 涼は不思議そうに私を見た。 .
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