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「…キスでごまかさないでよ。」 「うん。」 「本当に怖かったんだから。」 「ごめん、ね。」 ふぅー、と息をつくと涼に 抱きしめられた。 「でも…美智、来ない…から。」 拗ねたような声。 「だって…その…。」 つい言葉を濁してしまう。 「麗子ちゃん…が。」 「…麗、子?」 「そう。 …名前で呼んでるし。 嘘。いまの無し。」 涼の胸に頭を擦り寄せる。 「…また、嫉妬? 麗、子…妹、なのに。」 「どーせ、やきもちマンですよ。 …て、え?妹?」 「ん…妹。」 私は涼の顔を見ながら目を ぱちくり、とする。 涼も同じように目をぱちくり と、すると首を傾げた。 「え…え、だって。 …婚約、者じゃない…の?」 「…誰が?」 「…麗子ちゃん…とか?」 話しが、噛み合わない。 .
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