06

14/21
前へ
/134ページ
次へ
「あらー美智さん。 まだ別れてなかったんですか?」 美智を見つけた麗子はそう 言うと見せ付けるように俺に 腕を絡ませる。 「…別れないもん。 麗子ちゃん、妹なんでしょ。 …別れないもん。」 頬を膨らませる、美智。 可愛い。 「麗子、離せ。 …俺も、別れ…ない。」 麗子の腕をほどき美智の所へ 戻る。 麗子はショックを受けたような 表情になる。 「…どこが、いいの?その女の。」 「全部。」 麗子の言葉に即答する。 いい子だと、思ってたんだけど。 困ったな。 「なんで…麗子は、俺と美智を 別れ、させたがる…の?」 「…お母様が。」 やっぱり、か…。 麗子は母の言葉に逆らえない。 …俺も、そうだった。 逆らえば、切り捨てる。 いつもそう教わっていたから。 .
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4527人が本棚に入れています
本棚に追加