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「どーも!初めまして! 関川 結城でぇす。 涼と親友やって五年です。 今みたいに騙して楽しんで いまーす。」 「……関川くん。」 「あ、結城でいいですよ。 だって涼。 余りにも知らなさすぎて。 恋したのも美智先輩が初めて。」 にこり、と結城くんは笑う。 「まぁだから親友としては 初恋を叶えて欲しいわけです。」 今度はにやり、と。 「脅します。 全女子生徒を敵にしますよ。 涼の告白、断ったら。 じゃあ後はごゆっくりー。」 パタン、と屋上の扉が閉まる。 まさか脅されるとは。 夢にも思わなかった…。 呆然としていると小さな声が 聞こえた。 「…ごめん。 でも、初恋、だから…。」 いつもの無表情だけど少し うなだれたような。 それを可愛いと思ってしまって。 「まぁ、脅かされちゃぁねぇ。 仕方ないか。」 苦笑いしながら言うと 佐久間くんは少し嬉しそうで。 やっぱり可愛かった。 .
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