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「ただいまー。」 その時、帰ってきたのは。 「…なんだこの騒ぎ。」 エナメルを床に置く、少年。 「あ、那智(ナチ)お帰りー。」 「ただいま。 …で、あれ、誰?」 那智。 中学三年生の弟。 那智の指差すところには。 「えっと…佐久間涼くん。」 「ふーん、姉ちゃんの彼氏?」 にやり、と。 「なっ…! …そうだけど、さぁ。」 「へぇ、まじで…。 有名だよね。佐久間涼って。 あの人狙いで姉ちゃんの高校に 行く女子多いよ。」 複雑な気持ちだ。 涼は那智に気付いたようだ。 「…弟?」 「うん、那智っていうんだー。」 「初めまして。 姉ちゃんがお世話になってます。 これからどうぞ宜しく。」 那智の言葉に涼は柔らかく 微笑む。 「こちらこそ。」 また家族は大騒ぎだ。 .
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