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涼を最近、見なくなった。 あれから、時は経ち。 もう少しで夏休みになる。 たくさん遊ぼうと思っていた。 なのに。 ここ一週間、涼を見ない。 最後のメールは『しばらく 学校に行けない』というだけの 簡潔なものだった。 「あ、美智先輩!」 「結城くん。…涼、知らない?」 「…俺も分かんないんです。 家の用事、って言われたきりで。」 困ったように言う結城くんに 私はお礼をする。 家の用事…? 変な胸騒ぎがする。 「ったく… あいつ何してんだか。 美智、とっちまうぞー。」 なぁ?と慎也は冗談めかして 言う。 「どうする、べきかな。」 「…信じて待ってろ。 大丈夫だから、思い詰めんな。」 慎也の言葉に頷く。 でも、メールも返ってこない。 電話も繋がらない。 まるで、いなかったように。 .
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