0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「寒くは、ないのですか?」
雪の中で佇む私に、そっとコートを羽織らせ問いかける。
「寒いですよ」
訊かなくても解っていただろう問に私は微笑んだ。
(本当に貴方は優しいんですね‥)
人は貴方を冷徹非道な人間と云うでしょう。
でも私は知っています。
貴方がどんな人かと云うのを。
貴方がどれほど暖かい心を持っているかを。
「だけど‥今は貴方が居るから、暖かい‥」
「クフフ‥そう云ってくれると思っていました」
そう云って貴方は私に、その温かい唇で口付けをしてくれた。
冷え切った私の心を温めるかのように
そっと、ずっと‥
(貴方のお陰で、冬が好きになりました。)
>>next
最初のコメントを投稿しよう!