幽霊の実像

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「で――」  隼人は不満げに腕を組んでいた。噂が事実だったのはともかく、現実に少々落胆気味らしい。 「結局お前は誰なんだ?」  一方噂の幽霊は、備えつけの椅子の陰に身を半分隠している。隼人の不機嫌そうな顔に怯えきって、半泣きだ。幽霊でも涙は出るのだろうか? と妙なことが気になる明だった。 「まあまぁ。怯えてるよ? もっと優しく」  明はしょうがなく隼人をなだめに入る。少なくともこのままでは、まともに会話ができるとは思えない。
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