プロローグ

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ジリリリリ…… この音は何の音だろうか…… それは簡単な事で、これは目覚まし時計の音と言い切れる。 しかし、この無機質な音は今日で何度目だ、と聞かれると正直当てるのは難しいだろう。 正解は……四度目 「ヤバい、入学早々遅刻だよ!」 そんな一言から、レイ=フォワードの一日が始まった。 「姉さん、何で起こしてくれなかったのさ!?」 この台詞何回目だろうなぁ…… 「ん? あんたが慌てるのを見たかったから?」 質問を質問で返すなバカ姉! それと結構酷い事言われてるような……両親がなかなか家に帰って来ないからっていい気になるな、と言ってやりたい。 「姉さんが元気なのは分かったよ。 とりあえず行かなきゃならないし、これからもあまり帰って来れないからね?」 後ろを向きながら、少し演技っぽく言ったから多少は寂しい思いしたかな、もしかしたら涙ぐんでたりして……って返事が無いぞ、もしかしたら本当に…… 「もしかして姉さん泣いて……ってオイ」 完全にTV見てて僕の話聞いてなかったよ?
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