232人が本棚に入れています
本棚に追加
/144ページ
ジリリリリ……
この音は何の音だろうか……
それは簡単な事で、これは目覚まし時計の音と言い切れる。
しかし、この無機質な音は今日で何度目だ、と聞かれると正直当てるのは難しいだろう。
正解は……四度目
「ヤバい、入学早々遅刻だよ!」
そんな一言から、レイ=フォワードの一日が始まった。
「姉さん、何で起こしてくれなかったのさ!?」
この台詞何回目だろうなぁ……
「ん?
あんたが慌てるのを見たかったから?」
質問を質問で返すなバカ姉!
それと結構酷い事言われてるような……両親がなかなか家に帰って来ないからっていい気になるな、と言ってやりたい。
「姉さんが元気なのは分かったよ。
とりあえず行かなきゃならないし、これからもあまり帰って来れないからね?」
後ろを向きながら、少し演技っぽく言ったから多少は寂しい思いしたかな、もしかしたら涙ぐんでたりして……って返事が無いぞ、もしかしたら本当に……
「もしかして姉さん泣いて……ってオイ」
完全にTV見てて僕の話聞いてなかったよ?
最初のコメントを投稿しよう!