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「私は、コーネリア情報局UOWのヘンリーだ。大丈夫、ちゃんと将軍の許可も得ているから」
ヘンリーと名乗る男は淡々と話し始める。顔はライバルのウルフに似ているが、彼のように野蛮ではない。だが、ダークスーツを着た彼は一瞬マフィアにも見えた。
UOWとは、情報局であることぐらいフォックス達も知っていた。数々の映画にもその名が取り上げられ、その名はコーネリアはだけではなくパぺトゥーンなど他惑星のもその名が知れ渡っているが、あくまでフィクションの世界だけであって本物がどんな仕事をしているのかは当然誰も知らないのである。
「情報局の人が俺に何の用ですか?」
「私はスターフォックスをリクルートしたい。理由は簡単、君たちに向いてそうだから」
「随分とあいまいな理由ですね、そんなので俺を採用しようとしていいんですか?」
フォックスはヘンリーに無表情で訊ねる。ヘンリーは窓を開けて胸ポケットから煙草を取り出して吸い始めた。
「気が向いたらここに電話をしてくれ、いつでも返事を待ってるから。料金いくらかな?」
「6sp$です」
「お釣りはいらないよ」
先ほど聞いた言葉を又聞いたフォックスは、渡された金額を見てみる。お釣りが結構あったが、フォックスは何も言わずにそれを料金箱に入れた。
「じゃあ、失礼するよ」
ヘンリーはダークスーツを着ているせいか夜の暗い中に素早く溶け込んでいった。渡された名刺をジロジロ見ながらフォックスは不思議な感覚にかられた。
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