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現在フォックス達は、ハノールの住宅街にコーネリア軍および政府が資金を出して建てられたセーフハウスに住んでいる。光熱費はかからないが、食費とガソリン代だけは別で、ちゃんと仕事も行わないといけないというシステムになっている。だが、フォックスたちは住める場所があるだけありがたいと思っていた。
帰宅すると、クリスタルがキッチンで食事を作っていた。
「今夜はペンネパスタのトマトソース和えよ」
「ああ、今すぐにでも食べたいよ」
「もうすぐよ、お皿出してくれる?」
フォックスは背伸びをして上の棚からお皿を取り出した。クリスタルは、レードルで味見をしながらかきまぜる。
「スリッピーがいないな」
「そうね、今日は残業かしら?」
「まあ、帰ってくるのを待てばいいさ」
フォックスは、気ままな返事を返すと、お皿をクリスタルに渡した。フォックスは、冷蔵庫の中からビールと冷えたグラスを出すと、一人で先に一杯飲んだ。
「仕事の後はこれが一番だよな」
「もうすぐで出来るのに早いんじゃないの?」
「まあ、気にすることじゃないし」
フォックスはグラスから口を離し、クリスタルに自分の飲んだ淵と逆の方の淵を差し出した
「私にくれるの?」
「パンサーが言ったこと真似していい?」
「別にいいわよ」
「君の瞳に乾杯」
フォックスはニヤッと笑いながら口を開いた。クリスタルはフォックスのセリフに軽く笑みをこぼし、グラスを持って残りを全部飲みほした。
「なんか邪魔しちゃ悪いみたいだね」
特徴のある高い声、フォックスにとって聞きなれた声、スリッピーだ。しかも隣には彼の恋人のアマンダがマーケットの袋を提げながら立っていた。
「どこから聞いてた?」
「パンサーの真似をしていいってとこから」
フォックスは軽くうなずくと再び夕食の準備をした。
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