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「はぁぁぁあ!!」
水面から跳ねてくる何とも形容しがたい魚に無数の棘などつけたような生物が襲い来るのを各々の獲物で斬り捨て魔法で焼き払う。
「ああ、もう!!
いい加減鬱陶しいたらありゃしない!!」
かれこれ40分程前からしきりに跳ねてきては斬り捨てているために腕がだるくなりはじめている。
これが個々で襲い来るならば特に苦労はしないだろうが物量に物を言わせた、大群で来るため常にいろんな方向に得物を振り続けなければならない。
「大群は何とかならないの!?」
「無理よ!!
水面下から幾らでも湧いてくるから!!」
そうこうしているうちに飛び立った岸は遥か後方へと消え行き、代わりに目指す対岸がぼんやりと見えだした。
「やった!
対岸みえやぁぁぁあ!??」
見えた事で気が抜けたのかティオがバランスを崩し落ち掛け、それを見た魚類が一斉に襲い掛かる。
「い゛にやぁぁぁぁあ!!???」
必死に体勢を立て直そうとするが魚類の大群に邪魔をされ思うに動けない。
「ティオさん!!」
奏凪が白銀の翼で魚類を叩き落としティオをすくい上げる。
「あ、ありがと…
ほんとに怖かった…」
半べそをかきながらしがみつく。
「最初から危ないなら言って下さいな」
やんわりとティオを諭すように言う。
「もし何かあったらみんな困りますから」
「うん、さぁ進もう!!」
再び、見えだした対岸へと進み出した。
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