第一章 光の中へ―

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門の中の回廊は途轍もなく広く、魔粒子が絶えず漂ってくる。 山の中に居るらしく、薄いが何よりも強力な境界が隔てる外側には外界の景色が見える。 「うわぁ~、綺麗。まるで理想郷に来たみたい」 思わず呟く。 「いつガーディアンが出て来るか判りませんから気を緩めないで下さい」 それを聞いてヒーリアが注意を促す。 「大丈夫だよ、近くに気配ないし。心配性だね」 ティアが笑う。 ひとしきり満喫したあと回廊を進んでいく。 時々小さな門があったが鍵がかかっていて開かなかった。 「何にもないね」 かなり歩いたはずなのだが一向に同じ景色しか見えない。 「何でだろ、ちょっと飛んでみてくる」 流慧が不死鳥の姿へと戻り羽ばたいていった。 それから四人でほのぼのと歩き続ける。 数時間たった頃、流慧が帰ってきた。 「みんなすぐ戦闘態勢に入った方がいい。何かでっかい鉄の塊が近付いてきてる」 さっきまでのほのぼのした雰囲気が一瞬で消え去り、それぞれの得物に手をかける。 足音を消して前進を続ける。 不意に遠くからギチギチと駆動音が聞こえてきた。 緊迫感が増しそれぞれ回廊の両側へ息を潜めた。 しばらくすると流慧の言った通り、巨大な物体が見えた。 「なっ!? あれは古代の魔法を原動力にした拠点防衛人形!」 ここでヒーリアが天才ぶりを発揮する。 「拠点…防衛…人形?」 「そう、しかもあれは特に強い特別モデルね」 「何でそんなこと知ってるのよ」 そうこうしている間に人形はもうかなり接近していた。 「気付かないでくれると嬉しいんだけど」 遂に通り過ぎんとした瞬間ブゥン、と頭部と思わしき場所に赤い光が灯る。 「つっ、気付かれた!?」 素早く跳びすさった直後に上から巨大な剣が降ってきた。 抑揚のない合成の声が虚ろに響く。 「侵入者…発見。モードジェノサイド。殲滅を開始します」
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