第一章 光の中へ―

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ギィィイン 即座にプリマ・マテリアで受ける。 そのすさまじい重量で足下には亀裂が走り、風圧でヒーリアが飛ばされた。 「くっ、やらせて…あげない!!」 渾身の力を込めて弾き返す。 返す刀で太い鋼鉄の腕を砕かんと叩き付ける。 体勢を立て直したヒーリアがグランセイバーとバスターセイバー(後はグランとバスター)を抜き放ち、横っ腹に斬撃を繰り出し、流慧が援護射撃を行いティアと奏凪は後陣で魔法を唱えている。 全撃直撃したが傷一つ付かずなおも両手の剣を振り回す。 「なんて堅い!どうしよう」 「一カ所に集中攻撃をしてみましょう」 嘆くティアに流慧が提案する。 「了解!」 特に打ち合わせをしてないにも関わらず、見事な陣形を築き上げ同時に攻撃を開始する。 先頭のティオを狙ってきた双刃を大剣へと変えたプリマ・マテリアで受け止める。 その脇を流慧とヒーリアが駆け抜け、二人を追うように不死鳥の翼が空間を灼いていく。 「「やあぁぁあ!!」」 魔粒剣モードで人形の胸部に連撃を叩き込み、数瞬の時しかおかず、魔砲の全開の一撃をぶっ放す。 寸分の狂いもなく同じ場所にヒーリアの対剣による疾風の復撃が直撃し、不死鳥の翼が灼く。 トドメに双刃を弾いたティオが大剣の強烈な一撃を打ち込み、ティアが起爆させる。 メキャ、 と音がして胸部の装甲が剥がれ落ちたがまだ壊れてはいない。 それどころか剥がれ落ちた場所が輝き、流慧の魔砲とは桁違いの魔力がぶっ放される。 「まじ?」 ティアがシールドをはり辛くも耐えきる。 「なんなのあの化け物、どうしろって言うのよ!! 最初からこの強さは何なのよ! 普通こういうのは中ボスとか大ボスじゃないの!?」 罵詈雑言を浴びせ、杖を構えて再び詠唱に入る。 「大いなる月の力を祖の身に宿す、強者よ…その力を解き放ち我に仇なす者を砕け。 召喚『月光龍』」 深紅の瞳を持ち月光の中でのみ生きる危険度最高の龍種を召喚した。 「さぁやっちゃって!!」
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