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次の日、荷造りを終えて、リビングの中央にそのまとめた荷物を集めた。
荷物の下の床には、大きな魔法陣が描いてあり、その横にツバサは立っている。
手には電話を持っている。
「もしもし、ツバサです。そっちの準備は大丈夫?
…うん、ありがとう。
…え?いや、だって…めんどくさいし。あ、はい、ごめんなさい。
それじゃ、荷物を送るんで。」
電話を切り、ポケットに入れるとツバサは魔法陣に両手をついた。
一呼吸ついて、はっきりという。
「転移!」
すると魔法陣が輝きだした。
光が消えると、陣内にあった荷物も消える。
その時、電話がなりだした。ツバサは耳にそれを当てた。
「もしもし。…はい、了解です。じゃ。」
電話を切って、床の魔法陣を雑巾で拭き取り、身支度を整えたあと、自身も部屋を出る。
王宮の廊下を歩いているとツバサは声を掛けられた。
「よう、どこ行くんだ?」
「隊長!おはようございます。これから転移場へ向かうんですよ。」
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