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声を掛けたのは、王国騎士隊一番隊隊長のラーマ・イードゥ。笑顔輝くナイスミドルだ。 転移場とは国内の各国に転移できる魔法陣を一カ所に沢山集めたもの。王宮にあるのは一方通行でこちらからは行けるが、向こうからは王宮に来ることはできなくなっている。ちなみに陣なしで移動できる、転移魔法もあるがコツと魔力がいるため、その辺の一般庶民はあまり使わない。 「そーか、確かお前長期任務につくんだよな。頑張れよ。ていうかわざわざ転移場行かなくたって転移くらいお前できるだろ。」 「だって僕の場合、転移魔法使うといろいろ面倒くさいもんですから…。」 「あぁ、そうか。 …それにしてもお前その恰好は…。」 「やっぱ気になります?」 今、ツバサは普通のカジュアルな服の上に制服のマント(一番隊副隊長は銀の縁取りがしてある)を被っている。なかなかにおかしい恰好だ。 「なんつうか、一番隊副隊長のマントの威厳が感じられないな。」 「あはは…だってこれ着てないと皆僕のこと分かってくれなくて…。」 「確かにマントなかったらただのガキにしか見えんな。ていうか男か女かもわからないぞ。」 「酷いとは思うのに否定できない自分がいるのがなんとも…」
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