34人が本棚に入れています
本棚に追加
日差しが強まる早朝の草原に響きわたる風を突き破るような羽音が余計に私をい縮させ――――
「~~~ぅぅっ」
震え固まる体―――身を潜める私の頭上が一瞬暗くなる
ズゥゥオォッ!!
私の身を潜める岩盤の後方から前方へと何かが超低空で飛び去る
次の瞬間風向きが一気に変わり身を潜めていた私は突風に吹きつけられ岩肌に体を叩きつけられる
「つぅぅ~……」
突風によって激しく体を打ち体に痛みが走るがそれでもなお体はい縮し震えていた―――――――
身を潜め 息を殺し
得体の知れない何かに震えた時間は生きた心地がしなかった
「~~~~っっ」
数分後に気配は完全になくなっていたが
私は先の接触に体が震えていた
「……あれは一体―――――――」
おそるおそる立ち上がり爽やかな風が吹く草原を見渡す
「――――っ!?」
私がみたその光景は凄まじいものであった
何かが超低空で飛びさったであろう後に沿って 草原の草花が私の前後一直線に抜けちぎれ土壌がえぐれていた
「超大型の飛竜……?リオレイア?リオレウス?」
今までに感じたことのないくらいの重圧
リオレウスでもリオレイアでもないことはわかっていた
……それでも無理矢理私は心を落ち着かせるために理解したつもりで歩き出す
私の足はまだ千鳥足ではあったが――――――
……このときの私の考えは あながち間違ってはいなかったが これが後に直視できないほどの恐ろしい現実になるとは 今は思いもしなかった―――――
最初のコメントを投稿しよう!