追憶【超越する力】

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「んん~~!」 カーテンを縫い差し込む太陽の光 布団の中で大きく背のびをして―――― すでに日は昇りナバネアは夜の顔から 貿易の盛んな昼の顔へと姿を変え、街の中は活気に満ち溢れていた 「………よしっ」 ……準備を整え 私は王国特務研究所へと向かう――――― ナバネアは貿易の盛んな都市、という表向きの顔と 実質もうひとつの顔である モンスターの生体研究、各地方ハンターズギルドへの近代兵器の輸出 作成 などの仕事をこなす特務研究の二つの顔をこの都市は持っている 貿易の主な年間輸出状況もその35パーセントが近代兵器の輸出であり ナバネアの二つの顔はまさに相互に作用しうまく均衡をたもっている 「あ………私のボウガンもう古い型なんだぁ」 立ち寄った武器屋で眺める武器の数々は日替わりに近い早さで交換され 日々進化を続けている 私の特殊ボウガン(私自身で手をくわえる前の)と同じ型のボウガンはすでに店頭には置いてなかった 「流石ナバネア。物流が早い」 なにもかも私の村とは違う風景や華やかさに羨望のまなざしをおくりながら 私は研究所へとあしをはこんだ―――――
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