追憶【剣技乱舞】

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メキシ山脈の火山の影響により温泉が沸き上がり温泉煙がコルナ村に射す朝日を蜃気楼のようにユラユラと揺らし―――― 宿屋で一夜 疲れを癒したケイは手際よく準備をすませると一路火山へと向かう 「ここからだと数時間……くらいか」 ――――ケイがメキシ山脈を訪れた目的…………それは 《グラビティ鉱石》 超高密度 現在わかっている鉱石の中で世界一堅い鉱石で 採掘はきわめて困難 特殊な採掘具なしでは採掘不可能な鉱石――― ……しかし 超高密度ゆえ超重量を持つ鉱石であるため武具に加工するにはきわめて不向きであり 現段階で世界中に普及している武具の中においてグラビティ鉱石を使用している武具は存在してはいなかった………… 「…暑いな」 火山を目指し山を登りはじめて数時間 ケイの周りは陽炎がユラユラと流れあたりの温度の高さを物語る―――――― 額を伝う汗――― 暑さにより身を守るために装着した防具がケイの体力をよけいに奪う―――― 「…………」 突然 足を止めたケイは大剣を抜き構え辺りを見渡しつぶやく―――――― 「…来たな……」 灼熱の火山地帯―― 黒煙から降り注ぐ火山灰で辺りに黒い雪がふりそそぎ ケイが見据えた先に映るのは――――
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