追憶【剣技乱舞】

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バサルモスは空を仰ぎなおも叫び続け―――――― ズズンッ――…‥ 大気が揺れんばかりの叫びを上げバサルモスは地に崩れ倒れる ズガンッ!! 大剣を地に突き刺しケイは火山灰や黒煙にまみれ薄明るく濁る空をゆっくりと見上げつぶやく 「空気が重い…」 感じられる辺りに飛び交う重圧 地鳴りのように唸る翼の音が徐々に迫る オァァァアアッ! 「……リオレウス?」 思わず身を低く構えたケイは 大剣を地に突き刺したまま腰に巻き付けられている 二対の片手剣を素早く抜く――――― 「火山地帯にリオレウスか………」 一瞬――――― 龍のごとく空に吹き出していたマグマの勢いが緩まる――――― 「フゥ~~っ……」 ケイは大きく息を吐き双剣を頭上で重ねつぶやく 「解っ……」 ……‥次の瞬間 双剣の力を解放―――― 再び構えるケイの双剣からは薄赤い煙のような気体が上がる―――――― 「………」 大気を削る翼―― 迫る重圧――― 爆風とともにケイの眼前に表れたのは 《黒いリオリウス》
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