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風を切るかん高い翼
吹き上がるマグマを背にケイの眼前に姿を現したのは 薄黒く光るリオリウス―――――――
巨大な翼を羽ばたかせ辺りを火山灰や土ほこりが乱れ舞う爆風を纏いながらその巨大な足を地へとつける
刹那―――――
リオレウスとケイの目が合う――――
体を覆う漆黒の鱗
「…おまえ、本当にリオリウスか?」
外観は色こそちがえどそれはまさにリオレウス―――――
しかし視覚以外の感覚は目の前に映るリオレウスの姿を否定するかのように
辺りを埋め尽くす重い重圧
意志とは無関係に震え出す手足
滴る冷や汗―――
「……ちっ」
ケイは固まる体を奮い立たせるかのように 黒いリオリウスに向かって走り出す――――――
極度の緊張 そして重圧
火山地帯の外気の高さ
ケイの体は通常のそれを遙かに下回っていた―――――
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