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「…よし。」
熱風吹き荒れる火山の中腹の断崖にて
ケイが手にするほんの数十センチの薄青く光輝く鉱石――――
《グラビティ鉱石》
ケイの本来の目的である鉱石………
ケイはグラビティ鉱石を雑袋に入れ腰に巻き付け 火山を後にする
「………」
頭を巡る飛竜―――
変異にしもあまりに無機質で不安定な者―――――――
地平線に沈む夕日――――――
不自然な違和感と体を伝う悪寒
「……ちっ」
意志に反する体に苛立つケイ――――
尚のこと 嫌でも浮かぶ依頼と黒いリオリウス――――
「……あいつは俺がしとめる」
誰もいない火山地帯で小さくつぶやく
まるで自分を奮い立たせるように
【グラビティ鉱石を使用、加工した特殊大剣】
…強度 切れ味。重量を犠牲にしてでも必要なものが グラビティ鉱石には秘められている―――
「……ユズ」
柄にもなく少しだけ心配をするケイ
自分自身で受けた依頼の重さを改めて感じた―――――
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