追憶【動き出す運命の歯車】

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ジャコンッ!! 「よしっ」 眼前に迫る 森―― 広がる丘―――― ……しかし いつもと違う ザラザラとした嫌な空気が森の中から流れてくる 張りつめだした空気を感じた私はすぐにボウガンに弾を込めケイと目で合図をする 「……っ」 ケイは右手で背中の大剣を握りながら ゆっくりと 森の中へと足を踏み入れる――――― (―――あの時と同じ感覚――) 二人が感じるそのおぞましい気配は 互いに ほぼ時を同じくして接触した 〝黒いリオリウス〟 そのものだった――― 「……まるで森全体が黒いリオリウスだな……」 ケイが言うこともあながち嘘ではなかった ――辺りにまき散らされるすさまじい重圧 どこにいるのかなど全くわからない―― ………まさに手に汗握るほどの 緊迫 「……ユズATSだ」 ……私は静かにうなずき ボウガンの弾をATSに込め直し 森の奥を狙う――― ドシュンッ!! ……この一撃が 黒いリオリウスとの戦いの火蓋となる――
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