追憶

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風が徐々に強くなる昼下がり――――― 森の木々がざわめき最後のイーオスの気配をさらに遠ざける―――――――― 「ケイッ!音響弾をつかうからっ!」 私が叫ぶとケイは木々に遮られる青空を見上げ 左手で上を数回指さす 私はボウガンを上空に向け音響弾を放つ――――――― ドシュンッッ! 高らかに打ち出された弾丸は上空で炸裂―――――― かん高い炸裂音が辺り一帯に鳴り響く 耳を塞いでいたケイが耳から手を離し辺りの音響を聞き分ける―――――――― 「…………そこか」 大剣を片手でふり上げ構え 走り出す 私は援護するようにケイに向かって金色に輝く弾丸を撃ち込む――――――― バシュッ!! ――――属性弾 弾丸を受けたケイの大剣に電撃がほど走る ケイは巨大な大木めがけ大剣を降り下ろす 一閃 閃光のように流れる大剣は大木の陰に身を隠すイーオスごとなぎ払う 大剣をほど走り流れる電撃がケイの体を中心に辺りに広がるように地を走る 「――――よしっ」 ケイが辺りを見渡し大剣を背中に納めながら安堵の顔を浮かべる。 ジャキンッ! 私も弾丸をボウガンから抜いて一息大きくため息をついた。 風に揺られる木の葉が波打つ音のように辺りに響きわたる――――――― ―――生息地域を明らかに超えた モンスターの大量発生 始まりはここからであった――――――
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