2人が本棚に入れています
本棚に追加
焼き鳥屋の前まで来ると硝子戸の中は暗く、看板の灯りも点いていなかった。
「休みちゃうか」
「えーっ!?ショック……」
しばし放心状態。私の頭の中にはもう焼き鳥しかなかったので、一気に力が抜けてしまった。
『😼帰れってことだよ、きっと』
「俺もう口が焼き鳥になってたで。こうなったらほかの店でもええから、絶対焼き鳥食ったるで!」
行雄も同じ気持ちだったらしく、私たちは顔を見合わせると互いに深く頷いた。
『🙀もーっ!!!』
その界隈を歩き回ること20分……
地球での20分といえば、黄色の王国では2千分にあたる。
「なぁ、行雄。もう焼き鳥じゃなくてもええんちゃう?」
私がそう切り出した時、行雄が突然足を止めた。
「ちょっと待って。3歩下がって」
「?」
最初のコメントを投稿しよう!