第三章

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「体育館へはエレベーターで移動しますからね」 学園長はエレベーターの前で止まり、下へ行くボタンを押しながら言った。 1、2階に体育館はありそうもないからおそらく地下に体育館はあるのだろう。 ボタンを押してからすぐに着いたエレベーターに乗ると、学園長が行き先のボタンを押し、ドアが閉まった。 すると優しい女性の声のアナウンスが聞こえた。 『本日は叡智学園推理科のエレベーターをご利用いただき、まことにありがとうこざいます……』 おそらく来訪者のためにつけられたアナウンスなのか、校舎を建設した人の心配りに感心した。 『当エレベーターは地下10階体育館へ向かっております。短い時間ですがごゆっくりお楽しみ下さい』 アナウンスには続きがあり、ツッコミたいところがあったが、ツッコミを入れたら負けのような気がしたので我慢した。 本当に短い時間で体育館へ着き、ドアが開かれると普通の学校の10倍ほどはあるだろうか。建物の敷地とほぼ同じぐらいの大きさだが見た目は普通の体育館と大差なかった。
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