第三章

13/23
前へ
/215ページ
次へ
「この体育館では柔道などの武術の授業などを行います。やろうと思えばサッカーをプロと同じ広さのコートで出来ますよ」 床の材質的にせいぜいフットサルぐらいがいいところだとは思ったけど口には出さなかった。 体育館は広すぎるという点以外は特に変わったところはなかったので、次の場所を見に行くことにした。 「次はこの部屋ですよ」 学園長がスライド式のドアを開けると、普通の学校の美術室の2倍ほどの大きさの部屋があり、美術室のように人の首から上の像が置かれていた。 しかしいくつか美術室とは違う点があった。 「何故人の顔の像しかないんですか?」 俺は絵や他の作品が全くないことが気になって学園長に質問した。 「この部屋はメイク室と呼ばれる部屋で、変装するためのマスクを作ったり、変装をする練習をするのを目的に作られた部屋ですよ」 よく周りを見てみると人の肌の色に似たシリコンのようなものが像の近くに置かれていた。 「うわっ!」 突如父さんの驚いたような声が聞こえた。
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1521人が本棚に入れています
本棚に追加