第三章

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「どうした父さん?」 俺は学園長と母さんと一緒に父さんのすぐそばに行った。 「に、人間の顔が……」 父さんの指差す方を見ると、男の顔のマスクをつけられた像が1つだけ部屋の隅に置かれていた。 それはまるで生きているかのように精巧に出来ていた。 「父さん話し聞いてなかったでしょ?それは変装用に作られたマスクだよ」 俺は呆れながら説明した。 「そうかただのマスクだったのか……」 生首にでも見えたのだろう。父さんは安心したような表情をしていた。 「さて、入学後に詳しいことは教えてもらえると思うから次に行きましょうか」 学園長もそろそろ疲れてきたんじゃないかなと俺は思い始めた。 そしてさっきの驚いた表情が嘘のように、近くにあったマスクを被ったりして遊んでいる母さんと父さんもちゃんと連れて次の場所へ向かった。
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