第三章

15/23
前へ
/215ページ
次へ
「今日案内する施設は寮と食堂を除いてこれが最後になると思います。ここは実習室です。ここでは実際の事件現場を忠実に再現したミニチュアの模型や、現場に残された手がかりとなりそうな物のレプリカなどが置かれていて、より本格的な演習をするために作られた部屋です」 2階にあるこの教室は先程見学した教室の10倍ほどある広さで、おそらく実習室はこれだけではないと思われるので、2階のほとんどが実習室で占められているだろう。俺は学園長の説明を聞いた後、部屋の中を見て周った。 「あの、このシートを取ってもいいですか?」 実習室内の模型があると思われる場所にはそれぞれ黒いシートがかけられており、それが数十箇所ある。 「授業で使うのであまり見せられないのですが、あそこの模型なら見ても大丈夫ですよ」 学園長は部屋に入ってすぐの場所にある、俺の腰の高さほどの盛り上がりがある黒いシートを指差した。 俺は父さん、母さんと一緒に学園長が指差したところに行き、黒いシートをめくった。
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1521人が本棚に入れています
本棚に追加