第三章

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「これはもしかして……」 「そうです。つい最近あなたの家の近所で起きた老夫婦殺害事件の事件現場を忠実に再現したものです」 見ると1階と2階がそれぞれ別に作られたおり、家の見取り図のように上から家の中のものを事細かに見ることが出来、おそらく実際の家の10分の1程度の大きさで作られているのだろう、家具はもちろんのこと庭や外の道路にある街灯、老夫婦の遺体や血痕まで全ての事件現場の様子が再現されている。 「あの事件はもうすでに犯人が捕まっているので、おおよその犯行の手順は調べがついているのですが、中には未だに未解決の事件の模型もあります」 誰も答えの分からない模型を作ってどうするんだと思ったが、今更そんなこと言っても作ってしまったものはどうしようもないので何も言わなかった。 「それでは次は食堂に案内しますね」 俺達は部屋を出て再びエレベーターに乗り、食堂へ向かった。
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