第三章

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「さて次は寮に案内しましょう。寮はこの校舎の裏側の別棟にあります」 1階の校舎に入った時の入り口とは反対の場所に寮へと続く通路があった。 「ここからしか寮に入る手段はありませんので良く覚えておいて下さい」 幅が5メートルほどある通路を通っている時に学園長が補足説明してくれた。 「まだ入居者はいないので取りあえず1番近い部屋に行きましょう」 1階は共同の大浴場や大広間があるようで、2階から部屋があるようだ。何階まであるかはまだ分からない。 「この部屋に入ります」 2階に何部屋あるか分からないが、おそらく数十部屋あるだろう。学園長は階段を上ってすぐのところにある部屋の鍵を開けた。 部屋の中は個室が3部屋もあり、リビング、ダイニング、風呂、トイレはもちろんのこと、パソコンなどと言った電化製品も全てが揃っており、今すぐ一家4人で引っ越せと言われても問題ないぐらい立派で、マンションの1室のような部屋だった。 「ここ何人で住むんですか?」 この広さだ。当然3人程度は住むだろう。 しかし学園長の答えは俺の予想に反していた。 「10人です」 「はい?」 俺は聞き返した。 「だから10人です」 「えっ本当ですか?」 俺は思わず叫び声に近い声で聞いた。 「いえ冗談ですよ。1人1部屋です」 学園長はいたずらな笑みを浮かべて言った。 俺は最初の答えが衝撃的過ぎて本来驚くべき所なのだろうが驚けなかった。
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