第四章

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満開だった桜もだいぶ散ってしまった4月、俺は自ら選んだ道をゆっくりと歩き始めた。 4月6日叡智学園で入学式が行われた。 叡智学園は俺が住む東京の下町から電車で2時間ほどかかり、周りを低い山々に囲まれたとても都内とは思えないほど田舎にある。 そして入学式 ちょっと危なかったが、遅刻することなく無事に参加出来た。 入学式が行われているのは普通科の超巨大な体育館。新入生や在学生、新入生の両親など合わせて2000人近くが収容されているにも関わらずまだまだ空きがある。壇上には巨大なスクリーンがあり、後方にいる人達にも壇上の様子が分かるように配慮されている。 そして入学式は男性教員の司会の下、滞りなく行われている。 「次は新入生誓いの言葉 新入生代表 竜崎海翔!」 「はい」 『かいと』という名前からして男なのだろうが、返事の時に聞こえた声は女性のような少し高めの声だった。どんな人物か気になったが、自分の座ってる席から距離が離れすぎていて、顔はまだよく見えない。 そして彼は学園長の立つ壇上へと向かい始めた。
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